Aurora Serverless v2 の損益分岐点の調べ方

参考記事

こちらの記事に倣って Aurora Serverless v2 の損益分岐点を調べてみる。 記事内にあるように、buffer, loadgap, offpeak の3つの概念を使用します。

logmi.jp

db.t3.medium の場合

個人的にこのくらいのスペックでプロジェクトをスタートさせることが多い。 そのため db.t3.medium の場合にどういったワークロードであれば Serverless v2 でもとが取れそうかを実際に計算してみた。

db.t3.medium

  • メモリ: 4GiB
  • vCPU: 2
  • Serverlessにする場合のACUは 2GiB/ACU なので2ACUとなる。
    • それぞれの料金はリソースをフルで使用した際のものを比較すると約3.2倍差 となる。
      # serverless
      2ACU/h×月間730時間×0.20USD=292.00USD
    
      # ondemand
      1インスタンス x 0.125ドル/時間 x (100%/月) x 730時間/月 = 91.2500ドル
    

計算式

91.25USD × loadgap × (1 - offpeak) = X
91.25USD × (1 - loadgap - buffer) = Y
(X + Y) × 3.2 = Serverless v2 Cost

buffer=0.2, loadgap=0.7, offpeak=0.9(144min/24h) の時

  • Serverless=46.53USD < ondemand=91.25USD
    • コストメリットあり。およそ1/2。

buffer=0.7, loadgap=0.2, offpeak=0.9

  • Serverless=35.04USD < ondemand=91.25USD
    • コストメリットあり。およそ1/3。

buffer=0.5, loadgap=0.2, offpeak=0.9

  • Serverless=93.44USD > ondemand=91.25USD
    • コストメリットなし

buffer=0.2, loadgap=0.3, offpeak=0.9

  • Serverless=154.76USD > ondemand=91.25USD
    • コストメリットなし

offpeakは大体0.9前後から変わらないと仮定すると、ベースラインワークロードが高くなるような場合はコストメリットがなくなる。

これほど綺麗にワークロードを計算・区分できないとは思うが、およそどの程度のワークロードであれば元が取れるかを概算するのにとても参考になった。